アークシステムワークスから10月11日に配信が予定されている、『The MISSING - J.J.マクフィールドと追憶島 -』。
一見、キュートなJ.Jが主人公の普通のアクションアドベンチャーの様に思えるが、さにあらず。
「島を訪れてから、何故か死ねない身体になってしまった」という時点で、他とは一線を画すものだと想像できる。
その「死にそうで死ねない」ゲームのプレイレポートと開発トークショーの模様を伝えたい。
今回、体験できたのは最初のステージ。
開始から幻想的なフィールドを歩いて行くと、あちこちに鉄条網が張られた箇所が現れる。
J.Jがこれに触れるとダメージを受け、身体の一部が欠損する。
これが、このゲームの重要ポイントで、単に欠けるだけではない。
まず、J.Jは欠損が連続して首だけになっても、移動速度が低下する等の制限は受けるものの行動は可能で、その状態でダメージを受けるまではゲームオーバーにならない。
そして、「黄泉返り」と呼ばれる、欠損した部位全てを復活させる能力も持つ。
黄泉返りを使うと、フィールドに落ちている欠損部位が消滅し、身体が元通りになる。
次に、欠損した部位を利用できる点。
例えば、ゲーム中にはフィールドに落ちている石を投げて作動させる仕掛けが存在するのだが、その石が落ちていない時はどうするのか?
答えは、「欠損した腕を投げて」作動させる。
欠損した腕や脚を掴み、それを投げる事ができるので、故意にダメージを受けてから仕掛けを解く場面も存在する。
必要に応じて、欠損と黄泉返りを駆使してステージを進めていくとゴール地点に到着し、ステージクリアになった。
今回、体験したステージには敵が出現しなかったが、ゲームを進めると恐ろしい敵が登場するとの事。
続いて、9月21日に行われた、製作者であるSWERY氏とプロデューサーの森利道氏を迎えたトークショーをリポートする。
ストーリー紹介の後、主要キャラクターのお披露目が行われた。
主人公のJ.J、行方不明になった親友のエミリー、J.Jが肌身離さず持ち歩いているぬいぐるみのF.K、そしてプロモーションビデオやトレーラーに登場する敵、「髪鳴り女」。
気になったのは、公式サイトのスクリーンショットにF.Kから送られたメール画面が表示されている事だが、このぬいぐるみが意思を持つ展開があるのだろうか……
続いて、ゲームを形作る三つのキーワードについて語られた。
まず、体験レポートでも紹介した「黄泉返り」。
これは、謎解きに大きく関わっている。
次に「倒錯の世界」。
特定の条件下でダメージを負うと身体が裏返り、世界が反転する。
例えば、プロモーションビデオには天地がひっくり返るシーンが収められている。
最後に「無間地獄」。
何が起こっても死ぬ事ができず、再生を繰り返すJ.J自身を表わしている。
SWERY氏が大阪出身という事もあり、トークショーは終始、漫談の様な雰囲気で行われた。
例えば、パブリッシャーがアークシステムワークスに決定した時に森氏がプロデューサーになったのは、「社長からSWERY氏の通訳代わりに据えられた」と語られたり、SWERY氏と同じく、個性的なゲームを作る事で有名な須田剛一氏から「貴方が作るゲームはクレイジーだ」と言われたエピソードを披露する等、笑いが絶える事がなかった。
トークショーの最後に、面白い事が語られた。
「J.Jは白と赤で構成され、このゲームの世界は主に黒で構成されている。この二つが織り成す違和感を狙って作った」と。
つまり、互いは相手を異物と捉えている事だろうか……
SWERY氏らしい独特の世界観やシステムは人を選ぶかもしれないが、謎解きは良くできていて、クリアした時の達成感は格別だ。
気になった人は、配信日を心待ちにして欲しい。