>超長射程の対空ミサイル運用能力を持つ大型艦上戦闘機。自動制御の可変翼によって、高低両方の速度域で高い格闘性能を発揮する。 #contents *概要 *機体性能 *特殊兵装 *機体について -アメリカのグラマン社(現ノースロップ・グラマン社)が開発した艦上戦闘機。艦隊防衛に特化している。アメリカ国内ではA型を軸に、B、C、Dの派生型が製造された。Aの愛称は“トムキャット”(Tomcat)、Dは“スーパートムキャット”(SuperTomcat)。F-4Ⅱ艦上戦闘機の後継機であり、双発型のエンジンから成る高速性に加え、自動可変翼による低速での高い安定性が特徴。高速飛行中は翼が後方へ収納、低速になると左右へ展開する。洋画『トップガン』を始め数多くの作品に登場しており、F-4と並び、冷戦期におけるアメリカ海軍の象徴とも言える存在だった。 -F-15と同様、F-14もまた、対ソ連を想定して開発された。ソ連軍の長距離爆撃機から発射された大量のミサイルによる飽和攻撃を無力化するべく、F-14には多数の目標を同時に攻撃可能なレーダー、AN/AWG-9を搭載。さらに、F-14専用として、長距離空対空ミサイルAIM-54 フェニックスを開発。AN/AWG-9によって捉えた複数のソ連軍爆撃機を、敵機の射程内の遥か遠くからAIM-54で一方的に攻撃する、という運用が考えられていた。1981年の対リビア作戦で初陣を飾り、湾岸戦争やイラク戦争にも投入されたが、最後までソ連軍の機体と交戦することはなかった。 -アメリカ海軍の艦上戦闘機の主役をF/A-18F Super Hornetに譲り、2006年に全機が退役した。なお、唯一の輸出国であるイランでは今も現役である。