&size(15){''ストーリー''}; 少女が気づくと、そこはどことも知れない暗い森の中だった。 突如として現れた怪物に襲われた彼女は、筆を刀のように操ってものを斬る、謎の少年に救われる。彼は「黒筆」と名乗り、慣れた声音で少女を「白姫」と呼んだ。しかし少女には、少年の顔にも呼ばれた名にも覚えはない。 というのも、彼女の頭からはすべての記憶が失われていたからだ。黒筆いわく、ここは絵草子の中の世界である「徒花郷」。ありとあらゆる「おはなし」は、夢と同じように、どれほど深く溺れていても、覚めてしまえば何も残らない。 故にこの世界は、徒花──咲いても実を結ばない花に喩えて名づけられたのだという。そしてふたりの役目は、ここにあるお伽話の世界を渡り歩き、話の筋に歪みが生まれていないかを見張ることらしい。 操り人形のように頼りない風情の白姫は、言われるがまま、手渡された一冊を開いた。 表題は――「花さかじいさん」。虫食いが進み、朽ちる寸前のようなその絵草子が開かれると、紙面から眩い光が放たれ、少年少女はお伽話の世界へと連れ去られていった――。 IP:10.0.0.232 TIME:"2020-06-23 (火) 13:19:28" REFERER:"https://h1g.jp/adabanaitan/?cmd=edit&page=%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC&refer=%E5%BE%92%E8%8A%B1%E7%95%B0%E8%AD%9A%20%E6%94%BB%E7%95%A5Wiki" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/83.0.4103.97 Safari/537.36"