君は追放の地の古戦場を歩いてきた。
霧の中に浮かぶ墳丘墓を見た。
戦いに敗れた戦士たちの魂が、名前のない、治まることのない飢えと共に墓場を彷徨うのを見た。
君は師の丘を見た。
しかし、そこから君は何を学んだのか?
古墳の王は、かつて巨人の王の三頭官の一人であり神聖王と呼ばれていたが、今や君の足元に死体となって横たわっている。
この墓で見つけたものが真実なのか、異邦人である彼の目線を通した内容かは定かではないが、追放の地で起きた過去の出来事に関する知識が増えたことは間違いない。
ついに秘密が解きあかされようとしている。
君は、新しい武器を誇らしげに掲げ、その柄から感じる絶妙なバランスと力強さに満足する。
しかし、黒氷の武器自体から冷たさがじわじわと体に入り込んでくる感触は好きになれない。
戦化粧を施した肌がヒリヒリと痛む。
その効果が体中の血管を駆け巡っていることを感じる。
戦化粧は役に立つ。それが重要なのだ。
君の魔炎が、夜空を背景に青く燃えている。
ゆらめく炎から僅かな煙が立ちのぼり、強烈な光で周囲を照らしている。
地面を見下ろした君は、自分の影がなくなっていることに気付く。
君は、壁を伝って流れるタールの跡を満足そうに眺めている。
これで壁を登ろうとする愚かどもを防げるだろう。誰か来ないか待ち遠しい。
君は、衣服から霜をふるい落とし、自分の皮膚を見つめている。
不快なことは何も感じない。
これで、この地の課題をまた一つ克服した。
君は氷のフルングニルを見つけて倒した。
氷のフルングニルの死体に腕輪は見つからなかったが、他の追放者達と同様、氷神の巨人たちもこの場所に繋ぎ止められていることは間違いないだろう。
しかし、その理由は分からない。
新しい防具は暖かく、君は大いに満足している。
その上、見た目も素晴らしい。