最近、君は気付いた。君がいくら頑張っても、生涯を掛けて技を極めた職人の域に達することはできないだろう。
君が鍛冶作業台で作る品は十分役に立つし、追放の地の基準で言えばかなり良い物だ。
だが、適切な職人技が欠けていることも明白だ。高品質の品物を手に持った感触が懐かしい。
あの感触を取り戻したい。そのためには、適切な技術を持った人物を見つけて、その人物を…確保する必要がある。
「上質」や「完璧」な武器は職人奴隷によって生産される。
職人を捕らえ苦難の輪で意志を砕き、適切な生産設備に配置すれば、その能力を活用できる。
君は「古代下水道」の闇の最深部にいる生き物の話を聞きつけた。それは街の地下に住んでいて、調べに行った者は皆食われたのだという。
君は好奇心に駆られた。その生き物は何かを守っているのではないか?どこから来たのだろうか?なぜそこにいるのか?
君は挑戦してみることにした。
今まで追放の地で生存し続けてきたが、暗闇に足を踏み入れるという危険を冒したことはなかった。
それを、やってみたいのだ。
古代下水道ダンジョンは南部を流れる川の西の端にある。
最初は簡単な建物でも十分だ。だが最初に建設した壁では強い風を防ぐのが関の山だと、君にも分かっている。
武装した敵がその気になれば今の建物は簡単に壊れてしまい、財産は盗まれ今までの努力が水の泡になるだろう。
そろそろアップグレードしなくては。
君は頭を手に入れた。
それは君の勇気と、追放の地に異常に大きな生き物が存在することと、両方の証明になる。
常に注意を怠ってはならないと肝に銘ずる役にも立つ。
ゴンドラから降りた君は、感心したように首を振る。
必要は発明の母とはよく言ったものだ。
君は首を振った。噂は本当だった。
砂漠に海賊がいるのだ。興味深いことに、彼らも腕輪をしている。
つまり、彼らも追放の地に閉じ込められているということだ。
海賊たちが「黒い手」を名乗って砂漠を走り回っていると知ったら、本物のセトの黒い手はどう思うだろうか。
君は、そんなことを考える。
君は、追放の地で遭遇した敵が施していた戦化粧に興味を持っている。
戦化粧には、敵を威圧する以外にも、さまざまな部族や集団を区別するという効果もある。
戦化粧によって戦争に備えるという部族もあるようだが、今のところは、戦化粧をするとどんな気分になるのか確認できればそれでいい。
装飾用の戦化粧の模様は、技能メニューで学習できる。
また、さまざまな場所でも見つけることもできる。
模様を使用すると、それを自分に施すことになる。
追放の地に住む敵は、防衛を固めしっかり武装している。
こうした敵と戦うには、剣と槍のみでは心許ない。
近代的な攻城兵器の頂点は投石器だ。これを使えば、剣と槍の弱点をカバーできる。
投石器は一人の敵を狙い撃ちするような用途には向かないが、その強烈な破壊力により、敵の砦の壁を破壊するには打って付けだ。
ぜひ使ってみたい。
投石器は、技能メニューで生産できる。
投石器に発射物を装填し、重りをセットしてレバーを引く。
錬金術のガラス玉をいくつか試した君は、基本的な使い道を理解した。
しかい、中に入っている化合物を組み合わせれば、さまざまな副次的効果が得られるかもしれない。
君は二つのガラス玉の効果を組み合わせたら何が起こるか見てみたいと思っている。
さまざまなガラスを試し、その効果を組み合わせて新しい効果を作成する。
それは砂漠の中に建つ、朽ち果てた背の高い塔だ。
声を潜めて語られる噂話では、それは「コウモリの塔」と呼ばれている。古代の遺物だ。
君は腕輪のことが気になる。君を追放の地に閉じ込めている腕輪だ。
ひょっとすると、この塔で答えが見つかるかもしれない。
見つからないかもしれない。
どちらにしても君はこの塔に登るだろう。
コウモリの塔は神秘的な雰囲気を漂わせる建造物で、名もなき街の東側に位置する川岸にある。
この塔に登り、頂上でどんな秘密が待っているのか調べるのだ。