ベルモント――
時の流れに取り残され、錬金術の影響が色濃く残るその歴史都市は、
自動機械人形(オートマタ)が観光客を迎える、世界一の人形生産地だ。
瞳は宝石。血は水銀。心は円筒(シリンダ)。
骨董品の自動機械人形(オートマタ)は、人間と見紛うほどの外見だが、自由な心を持たない。
人の似姿として作られた彼女たちは、主人(パードレ)の命令に従うがまま、
踊り、笑い、演じ、抱かれるしかなかった。
過去を捨て、ベルモントへやって来たロメオ。
彼はゴミ捨て場で偶然、記憶喪失の壊れた自動機械人形(オートマタ)を拾う。
「私の名前は――忘れちゃいました」
ロメオは、アンナと名付けたその人形と共に、新たな生活を始めた。
だが、平穏な日々は長続きはしない。
かつて属していた組織「オルマ・ロッサ」が、ロメオの匂いを嗅ぎつける。
ロメオはようやく見つけた日常を守るため、一度捨てた自分の過去に、
再び立ち向かわなければならない――。
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