イコには角が生えていた。角が生えているのは村でもイコだけ。村のしきたりでは、角の生えた子どもが生まれると、その子は海の上にそびえ立つ誰もいない霧の城に生贄として捧げられることになっており、今年はイコが城に連れて行かれる年だった。
13歳の誕生日、3人の神官に連れられて城へ向かう馬の上でも、イコが暴れることはなかった。自分がこれからどうなるかは大体わかっていたし、それは自分にとって当然のことと思っていたから。
やがて城の奥の部屋にある沢山の棺の1つに入れられ、棺のふたが閉ざされ、イコはいよいよ1人きり。イコは静かに目を閉じた。
とても短かったかもしれないし、とても長かったかもしれない時間が過ぎ、突然部屋が揺れ始めた。イコを入れた棺は台座から転げ落ち、偶然にもふたが開き、イコは部屋の真ん中に投げ出された。
広い城の中に、1人自由の身でいることに気づいたイコ。
「この城を抜け出せるかもしれない」
イコは自らの運命に逆らい、歩き始めた。
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