ストーリー
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劣等感を持つあなたへ告ぐ。
「あなたは何の失敗作?」
アリスは問いかける。
この閉じた世界には、物語の失敗作しかいない。
不出来で、作者に与えられた役割さえこなせない存在、アルターだ。
アリスが目覚めたのは、ほんの少し前。
この世界は現実の時系列の影響を受けない、ここは創作の世界の一部、箱庭であるらしい。
だから、『不思議の国のアリス』の登場人物であるアリスが2000年代初頭の物語たちと共に目覚めることは、特に不思議なことではないという。
それらはすべて、目覚めたアリスの頭の中に自然と在る情報だったのだ。
そして目覚めたアリスの頭の中には、もうひとつの真実が眠っていた。
この世界で『自分のアルター』を殺したら、本物になれる。
それは信じる、信じないのは話ではなく、真実だ。
だからアリスも、『アリス』を殺した。
そう、しなくてはいけないから。
「あなたは何者?」
アリスは再び問いかける。
眼前のアルターは、何も答えようとしない。
だがアリスは内心確信していた。
きっと自分はこの人物と手を組み、そして、『アリス殺し』を行うのだろう。
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更新日: 2019-08-21 (水) 06:01:25