石見銀山は、近世以前のアジアにおける銀鉱業発展の草分け的存在となる世界文化遺産です。
中国を発祥とし、韓国を通じて伝えられたアジアの灰吹き法(金銀の冶金方法の一種)技術の発展、及び16世紀における手作業による労働集約的な日本独自の小規模な職人集団による高品質な銀の大量生産技術により、西洋と東洋の間での価値基準の交換に貢献してきました。
銀鉱山跡、鉱山村落、城跡、輸送経路、積出港などの複数の史跡から成るこの世界文化遺産は、銀の採掘活動に関連した独特な土地活用を後世に伝えるものとなります。
銀鉱石の資源が枯渇したため、銀の生産は終わりを迎えましたが、残された豊かな自然の中で銀採掘との関わりの深い文化的風景が発展し今もその名残を見ることができます。 --