【TGS2022】『勝利の女神 : NIKKE』キム・ヒョンテ氏&ユー・ヒョンソク氏 インタビュー
注目タイトルの開発者にインタビューしました
東京ゲームショウ2022、Level Infiniteブースでは、2022年内にサービス開始が予定されている『勝利の女神 : NIKKE』の展示が行われました。
「背中で魅せる美少女たちの終末シューティングRPG」と銘打たれ、クローズドβテストのプレイヤーからは好評の声が多く挙がり、期待のタイトルとなっています。
今回は、東京ゲームショウ2022の開催に合わせて来日したキム・ヒョンテさんとユー・ヒョンソクさんの両名のインタビューを行い、このゲームについて語っていただきました。
ヘイグ:本日は、お時間をいただきまして、ありがとうございます。
まず始めに、お二人の自己紹介、並びに2022年内にリリース予定の『勝利の女神 : NIKKE』での担当パートをお話ください。
キム・ヒョンテ:このゲームでのプロデューサー、及びイラストを担当するキム・ヒョンテ(以下キム)です。
ユ・ヒョンソン:このゲームのディレクターとして、方向性などの決定を担当するユー・ヒョンソク(以下Yoo)です。
ヘイグ:続いて、このゲームのタイトルの由来、及び決定までの経緯やエピソードがありましたら、お聞かせ願います。
キム:このゲームのアイデンティティは、「美少女ガンシューティング」です。
今から約4年前、社内でゲームの企画のコンテストが行われ、そこで一等賞を受賞したものが、このゲームの雛形になっています。
最初は、サイドビュースタイルのシューティングゲームだったのですが、「そこから進化させ、障害物に隠れるカバーアクションや、素敵なキャラクターたちを見せるようにしよう」との方向性が決まったのが、今から約2年半前でした。
Yoo:『勝利の女神 : NIKKE』のタイトルは、ストーリーと密接な関係があります。
謎の機械生命体により地球は荒廃し、人類は地下への撤退を余儀なくされます。
人類は、持ちうる技術を投入して、機械生命体への最後の反撃に使用する決戦兵器「NIKKE」を作り上げます。
由来は、ギリシャ神話に登場する勝利の女神から借り受けた形ですが、地上奪還という人類の願いが込められているため、この「NIKKE」の名前が、ゲームの世界観や物語を代表するようなものだと思っています。
ヘイグ:このゲームのキャッチコピーは「背中で魅せる美少女たちの終末シューティングRPG」ですが、それに関してこだわった点や苦労した部分をお話ください。
キム:後姿にこだわったのは、このゲームだけではありません。
過去に制作したタイトルでも同様で、後姿は重要な要素の一つだと思っています。
『ブレイド・アンド・ソウル』を始め、バックビューを主体としたゲームでは、プレイヤーはキャラクターの後姿を見る時間が長くなります。
2Dのタイトルでは、後姿を見せる時間は長くならないですが、『勝利の女神 : NIKKE』のビジュアルのアイディアを考えたとき、「キャラクターの後姿を魅力的に見せたい」と思い、それを存分にアピールできるように作りました。
Yoo:そして、特にこだわった点は、キャラクター性です。
私たちが作るゲームは、正面の姿、背中も含め、多くのリソースを要します。
この場合、制作効率がとても重要になりますが、私たちは、正面の姿も後ろ姿も何度も描き直しながら、一人のキャラクターとして整合性がとれるように工夫をしました。
この工程を経て、ただ眺めるだけのモデルではなく、生き生きと動くキャラクターとしてできあがるように気を遣いましたので、背中からもキャラクター性を感じていただけるようになっているかと思います。
また、キャラクターのビジュアルだけでなく、ストーリーとボイスを含め、キャラクターを表現するすべての部分が一体化するように力を入れていますので、キャラクターに没入感を感じながら、キャラクターを含めゲーム全体を楽しんでいただけたらと思います。
キム:これは、あくまでも個人的な意見ですが、『ディスティニーチャイルド』では胸を意識してキャラクターを描きましたが、『勝利の女神 : NIKKE』では、お尻を意識して描きたかった……
そのように考えていました。
一同:(笑)
ヘイグ:先ほどの質問に関連するのですが、今年3月に行われたクローズドβテストにおいて、ネットやSNSで「ここまでやっていいのか」などの歓喜の声が多く聞かれました。
それらについての手ごたえや感想があれば、お聞かせ願います。
キム:プレイヤーの皆さんも、恐らく気付いてくださると思っていましたが、やはり気付いてくれたようで、嬉しく思っています。
ただ、それ以外にもこだわって制作した部分があり、ビジュアル面やゲーム性など、多岐に渡ります。
実際に手にとって遊んでもらえると、ゲーム性にこだわっていると感じてもらえると思っています。
プレイヤーの皆さんが喜んでくださっている箇所も、このゲームを支える重要な要素であり、強みの一つですが、それが全てではありません。
ヘイグ:ホームページ内にて、敵性勢力「ラプチャー」の紹介で「エンターヘブン」なる組織が登場し、少しだけ言及されていますが、この集団がストーリーやニケの生産などに関わることはあるのでしょうか?
Yoo:このゲームは、さまざまなキャラクターが登場します。
ストーリーの根幹は、キャラクターたちに関与するものになっていますが、それだけでなく、もう少し立体的に、世界観を構築できるような物語を提供したいと考えています。
その中で、この世界の現状や暗い一面などを見せたいと思っています。
「エンターヘブン」は、この世界の暗黒面に属する集団ですが、まだ詳しいことは言えないので、今後にご期待ください。
キム:結局、何も言っていないじゃないですか(笑)。
ヘイグ:敵性勢力「ラプチャー」に関してですが、さまざまな生物がモチーフになっています。
これらに対するこだわりを、お聞かせください。
Yoo:「ラプチャー」は、この世界における敵ですが、単純にロボットや機械としてでなく、ポスト・アポカリプスをより劇的に表現するために、クモや列車など、日常で見られるものをテーマにして作りました。
「ラプチャー」には、色々と秘密が隠されているのですが、これも詳しいことは言えないので、今後に期待してください。
キム:何か、つまらない人ですね(笑)。
Yoo:私はつまらない人間ですが(苦笑)、ゲームは面白いので、楽しみにしてください。
ヘイグ:引き続き、「ラプチャー」に関する質問ですが、モチーフの選出基準があれば、それをお聞かせ願います。
Yoo:これは、変わったアプローチ方法かもしれませんが、イラストを基にして3Dモデルを動かすためのものを検討して、もっとも適しているペーパーフォールディング技術(折り紙と同様の手法)を採用しています。
これによって、魅力的な動きの再現や、これまでの3D制作技術では見せることができなかったビジュアルを提供し、楽しんでもらえるようになりました。
順序が逆になってしまいましたが、この技術を考慮して、モチーフを選出しています。
このゲームでは、キャラクター、背景、ラプチャー、これら全てを、これまでの2Dグラフィックでは見せることができなかった「存在感」を演出できたと思います。
2Dと3Dでは、それぞれ見たときの受け取り方が違うと思いますが、「2Dで見せる」ことが重要だと考え、人の手がかかったようなグラフィックの制作に力を入れています。
ヘイグ:最後に、このゲームを楽しみにしている日本のプレイヤーの皆さんに、メッセージをお願いします。
キム:現在、日本には『ディスティニーチャイルド』のプレイヤーが多くいます。
それ以外にも、過去に制作した多くのゲームをリリースしていただいた国でもあるので、特別な愛着を抱いています。
『勝利の女神 : NIKKE』は、特に色々な思いを込め、精力を傾けて制作しました。
先ほども申し上げたとおり、2Dで経験できる最大限を見せられるようにしました。
他のゲームでは見ることができないアニメーションやイラスト、ハイクオリティな背景やモンスターなどを提供できるよう、ベストを尽くしました。
それらを凝縮した、密度の高いゲームになったと思います。
その密度を伝えるだけでなく、提供するコンテンツも楽しい要素をたくさん、詰め込んだので、是非とも楽しみにしてください。
Yoo:日本のプレイヤーが、『勝利の女神 : NIKKE』に期待を寄せていることは、当社の開発室にも伝わっています。
この期待を裏切らないようにしたいと思っています。
また、今後も良いゲーム、長く遊んでもらえるゲームを提供できるようにしていきます。
ヘイグ:本日は、誠にありがとうございました。
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