#contents *物語 【白】の少女が舞うと夜が遠離る。 自らを「オランピア」と名乗り、 人形のように微笑むこともなく、 人形のように舞い續ける彼女を 人々は敬い、恐れていた。 命よりも色を重んじる天供島で、 彼女はたった一人しか存在しない色を持つ。 稀少な【白】を途絶えさせないために ここで18歳を迎えた彼女は交配相手を捜さねばならない。 『天女島で産まれた貴女は特別なのです』 『この島のどんな色の男でも自由に選ぶことができます』 過去の出来事から外界との交流を拒んでいた彼女は 亡き母の言葉を信じて一歩を踏み出す。 本当の自分を愛してくれる者を見つけるために。 自分が求める魂の半身と出逢うために─── *世界観 朽ちた葦の舟に乗り、その者は流れ着いた。 彼はそこに島を創り、【天供島(てんぐうとう)】と名付けた。 彼は次に【赤】【青】【黄】の色を創り、その色をさらに二つに分かち、男と女を創った。 彼の名は卑流呼(ひるこ)―――これが人の誕生である。 それから、幾何の時が過ぎ―――。 色とりどりの人々が住まう天供島では、 色別の格差社会が生まれていた。 色を保持する為に、組み合わせによる交配が義務づけられ、 生まれ持った色で階級が決まる。 原始の色に近いほど階級は高く、遠いほど低い。 ある日のこと、突如太陽の輝きに翳りが見え始めた。 徐々に長くなる夜が人々に恐怖を与える。 夜が全てを支配してから間もなく、 【黄】の長が一人の少女を舞台に立たせた。 少女は舞う。 すると―――不思議と太陽が輝きを取り戻し始めた。 以後、少女は舞い續けた。 太陽を輝かせる為に。 *関連ページ -[[用語集]] IP:10.0.0.54 TIME:"2020-04-11 (土) 12:30:34" REFERER:"https://h1g.jp/olympia/?cmd=edit&page=%E7%89%A9%E8%AA%9E" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/80.0.3987.163 Safari/537.36"