昔から良く、星の降る夜には空を見上げた。
何で見上げてるのかわからなかったけど、何となく。
近くの神社、その裏丘で。
ある日、司がいつものように星を見ていると、見知らぬ女の子が司の顔を覗き込んできた。
藍田奈美。二つ上の女の人。
二人はその日から、時々一緒に星空を見上げる仲になった。
そうして、段々と仲良くなって。
……やがて、司は奈美に、恋をした。
変わる認識。友達じゃなく、好きな人。
ある日、司はその思いの旨を奈美に伝えた。
そうして、二人はめでたく交際することになった。
でも、恋人になっても、二人の関係は大して変わらなかった。
特別、恋人らしいことを何かするワケでもなく、それまで通りに過ぎていく時間。
やがて、司はそんな関係に焦り、奈美に恋人らしくしたいと告げる。
奈美はそれを受けて― ―キスをした。
それは、奈美の誕生日のことだった。
これで二人は幸せになる……と、希望していた。
それが、司の願いだった。
でも、本当はわかっていた。
奈美の本当の気持ち。
奈美は、いつも別の場所を見ているのだということ。
だから司は焦っていた……。
……やがて、毎年恒例の七夕祭りの夜がやって来る。
今年の祭りは、星の降る夜。
司はそこで……ある決心をして――。
傍から見ればどうでもいいようなことなのかもしれない。
かと思えば、本当に辛い悩みなのかもしれない。
それとも、ただ真っ直ぐな純真だったのかもしれない。
そんなものに押しつぶされないように、彼らはもがいて……。
一つの恋が終わりを迎え、そして、また新しい恋が始まろうとしていた。
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