ルーシルの日記
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このページはウルフェンシュタインの文書「ルシールの日記」について記載しています。
【文書】
ルシールの日記
1980年3月13日 金曜日
荷物も用意して、引越しの準備ができた。
ここを離れるのはすごく変な気持ち。
ここにしか住んだことはないけど、当局に跳べと言われたら「どれだけ高く?」って応えるしかない。
引越しは安全のためと言われた。差し迫ったテロの危険があるらしい。
いつものように私は言われた通りやるだけ。従わなかった人たちがどうなるか知っているもの。
私が子供だった頃、この街はこんな風じゃなかった。
暴動が起きた後、血の痕跡を隠すために道が新しく舗装されたから。
新しい名前も与えられた。
時々、この舗装の下に死体が埋まっているんじゃないかと思うことがある。
もしかしたら、ナチスの横暴に耐えられなくなったパン屋さんとか、嫌がらせを続けるナチスの客に怒った美容師さんとかが埋まっているのかもしれない。
この救いのない絶望が生きているということなのかしら?
ヘルムートが好きな小さな公園があるから、指定の搭乗エリアに行く途中で寄ると思う。
あの子は私とは違う人生を送ってくれるといいな。
これがその機会になるのかしら?
あの子が大きくなったらパリのことは覚えているかしら?
覚えていない方がいいかもしれない。
皆でこの街のことを忘れた方がいいのかもしれない。
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更新日: 2019-08-22 (木) 12:08:05