物語
物語
「宵禍」と呼ばれる化け物が存在するifの世界を描く和風ファンタジー
人間が生み出した恨み・嫉みなど「負の残留思念」によって生まれた異形の化け物【宵禍(よいか)】その討伐のために作られた存在【奇虚(きこ)】
不思議な力を持つ一人の少女は【奇虚(きこ)】である彼らと出逢い、悲しい運命に翻弄される――
時は享保元年。
八代将軍・徳川吉宗が江戸を治めることになった世。
江戸の町では、異形の化け物による事件が多発しており
町民は度重なる事件に不安と不満の声を漏らしていた。
そこで徳川幕府は町の治安維持のため
密に異形を取り締まる組織「御庭番」を設けた。
それから季節が巡り――享保十一年。
江戸から遠く離れた村に特別な力を持つ一人の少女が暮らしていた。
彼女が「黒い糸」を見た場所では必ず禍が起きる。
不気味がった村人たちは、雪が降り積もる山奥へと少女を追いやった。
そんな彼女の元に御庭番と名乗る青年が現れ……。
これは一人の少女と「人ならざるもの」たちが出会い、愛を知る物語。
重要語句
奇虚(きこ)
宵禍討伐のために幕府お抱えの陰陽師によって作られた存在。
外身は神懸りで神より与えられた人間の身体、中身は物に宿った魂を有している。
半分は人間であり、半分は形人。
奇虚たちは任務の妨げになるため、生成される際に「あるもの」を失うが、その代わりに宵禍を滅する力が付与される。
主人公と過ごす中で「あるもの」を少しずつ取り戻していくが、それは彼らを“消滅”に近づけることに。
悲しき運命の行く末とは…
宵禍(よいか)
日暮れ「宵」に禍を運ぶもの。
人間が生み出した恨み・嫉みなど「負の残留思念」から生まれた異形の化け物。
多くの人間は自分たちが化け物を生み出していることを知らない。
人を襲い、田畑を荒らし、他社を新しい宵禍へ変貌させる瘴気を放つ。
宵禍の瘴気に共感してしまうと、その者は宵禍になってしまう。
証の木札(あかしのきふだ)
形人は道具の持ち主に名前を貰い、その名を木札に刻むことで初めてこの世に存在できる。
木札が壊れてしまうと人間の形を保つことができず道具に戻ってしまうため、形人は肌身離さずこの「証の木札」を身に着けている。
首や手首など見えやすい場所にあることが多く、人間と見分けるための証にもなっている。
形人(かたちびと)
人と共に手を取り合い、生きてきた存在。
長年大切にされた道具に魂が宿り、形を成した。
本体である道具とは別に身体が生成され、その姿は人間そっくりに出来ている。
ただ本体は道具であるため、元となる道具が壊れるか、存在を忘れ去られない限り死ぬことはない。
条件が揃えば姿形を変幻自在など、人間と異なる点も多い。
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