世界観
第1章『命の出会いと別れの2人』
幼い頃から入退院を繰り返してきたヒロインのセツミ。
ある日、告知を受けホスピスへと向う身となっても驚きも落胆も薄かった。
十年という月日が、彼女から現実感を薄くしてしまっていたからだった。
そんな彼女が自分と同じように7Fで知り合ったのは、主人公の阿東。
彼もまた、突然身に起こった出来事に、どこか現実感が伴っていなかった。
そんな主人公はある日、父親の車でセツミと共に7Fを飛び出すことに。
元々、目的もなかった二人だが、なんとなくから、
1月の花、水仙を見に行くことを決め一路淡路島へと向う。
旅路の途中で、親切な人と出会ったり、
身を案じて病院から追いかけてきた者達との交流も経て、
少しずつ意識も、前向きへと変わってくる二人の物語り。
第2章『死ぬまでにやっておきたい10のこと』
1章よりも6年前の夏、セツミは、通院をする日々を送っていた。
そんなある日、セツミは7Fに入院している姫子と出会う。
車好きで、地図をよく見ていた姫子・・・
彼女は以前7Fのヘルパーをしていた事があり、ある少女を担当して以来
ヘルパーを辞している過去をもっていた。
姫子が少女と過ごした7Fでの日々は、後に彼女が起こす行動の基本的な理念のひとつとなっていた。
ある日、セツミはそんな姫子の持つ「死ぬまでにやってみたい10のこと」を知る。
年の離れた友達をつくること。
パイナップルの真実をつきとめること。
・・そして・・・・
セツミは姫子と共に、「10の事をやり遂げる日々」を始めるのであった。
最終章『ルールは誰のために』
舞台は2章よりさかのぼる事、二十数年前・・・
14歳の博史は、家業の老人ホームの手伝いを理由に学校を休みがちであったため
留年をしてしまう。
そんな時、病気のため同じく留年をしていた元クラスメートの陽子と出会う。
陽子は入院生活が長かったため、人見知りしがちで、博史にも初めはうまく話せないでいた。
留年組のため、うまくクラスになじめない2人。そんな境遇が近いこともあり、
お互い徐々に距離を縮め、惹かれ合っていくのであった。
高校生になり、2人は恋人同士になっていた。陽子もホームを手伝うようになり、
ホームを良くするためのルールづくりを交換日記を通して行うのであった。
そして陽子は、ホームで医師として働くことを目標に持つようになる。
高校3年の夏、陽子が体調を崩し休みがちになってしまう。
そのため医師になる目標も難しくなり、その目標は博史に受け継がれることになる。
その後、博史は東京の大学に合格し、離ればなれの生活が始まる。
一人暮らしをはじめて1週間後、突然、陽子と連絡がとれなくなる。
心配をし帰郷をしようとしていた博史の元に小包が届く。
そこには2人の思い出がつまった交換日記と共に「探さないで」のメッセージが・・・
7Fの「ルール」が作られた真実がいよいよ明らかとなる、ナルキッソス始まりの、そして終わりの物語―――――
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