ストーリー
イントロダクション
──古ぼけたコンピュータの向こうから、知らない少女の声がした。
「ナツノカナタ」は終末を迎えた世界を旅する少女たちを描いた、テキストアドベンチャーゲームです。
あなたは、偶然見つけた古いコンピュータに導かれて、出会ったことのない少女と通話をします。
彼女はナツノ。パンデミックによって崩壊した世界で、一人、行くあてのない旅をしているといいます。
けれどもあなたの知る世界では、パンデミックも社会の崩壊も起こっていない。
彼女のいる世界はどこなのか、どうして通話が繋がるのか──
ナツノの話し相手になって旅を見守るうちに、あなたは終末を迎えた世界の謎に迫っていきます。
ストーリー
故郷の東京を離れ、北を目指して旅を続ける少女、ナツノ。
一人旅だった。
高校の同級生とは、東京を出るときに離れ離れになった。
両親とはどこかの駅ではぐれた。
電車が動かなくなってからは、一人で歩いて旅を続けた。
真っ青な空に蝉の声が響く夏は、始まったばかりだった。
旅先で町に立ち寄っても、誰の姿も見つけられない。
世界は、半年に終わりを迎えていた。
未曾有のパンデミックは、ほんのわずかな時間で、社会を崩壊させた。
感染すると、人は理性を失い、物言わぬ怪物となって人を襲う。
原因となるウイルスも細菌も、ついに明らかにならなかった。
わかっていることは何もない。
それでも目の前にあるものはただただ現実で、
町を歩いても誰にも出会わず、たった一人、旅を続けるしかない。
あなたが偶然話をしたのは、そんな世界に住む少女だった。
亡くなった祖母の遺品整理で古いコンピュータを見つけたのが、すべてのはじまり。
祖母の思い出を期待して、あなたはコンピュータのデータを開いた。
けれどコンピュータから聞こえたのは、知らない少女の声だった。
ナツノと名乗る少女と、どういうわけか通話が繋がっていた。
もちろん、あなたの住む世界ではパンデミックなんて起きていない。
高校生は誰もいない町なんかを放浪したりせず、夏休みを満喫している。
彼女はいったいどこにいるのか。
どうして通話が繋がるのか。
わからないことだらけだったけれど、
ナツノはただ「話し相手になってよ」と、そう言った。
終わってしまった世界を生きる、別の少女たちとの出会いを重ねながら、
あなたは少しずつ、真実に迫っていく──
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