小ネタ
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小ネタというか、セリフや絵などの元ネタ(と思われること)についてのトリビア的なものをわかる範囲内で書いていきます。
セリフや絵などの元ネタ(と思われること)についてのトリビア
- 「一足の靴」の元ネタとなった絵をゴッホは複数描いていますが、当時(19世紀の後半)のヨーロッパでは静物画の題材にこのような「一般庶民が実際に日常履く靴」が選ばれることは珍しかったようです。
ーー参考『ゴッホを旅する』千足伸行、論創社(2015)
- 「白い馬と黒猫」の元ネタである絵は、実は小型の石膏像を模写した絵のようです。ゴッホは他にも複数の石膏像模写を残していますが、多くはこの元ネタの絵同様、青系統の色を背景にして描かれています。なお、この元ネタの絵「馬」も含めて石膏像模写の多くは、オランダのアムステルダムのファン・ゴッホ美術館に所蔵されています。
ーー参考「ゴッホ展 Van Gogh in Paris: New Perspectives」図録(2013)
- ニャッホと彼の仲間の画家に何かと妨害をする謎の悪の組織(?)「アカデミー」についてですが、彼らがニャッホたちを邪魔しようとする展開にも実は「元ネタ」の(と考察できる)史実があります。
19世紀半ば〜後半のフランスを中心として、それまでのルネサンス〜バロック〜ロココ〜新古典主義という当時いわゆる正統派とされた美術の流れ(この流れについては、西洋美術史の本をお読み下さい)とは異なる作風の画家が登場し、彼(彼女(女性画家もいました))らは後に「印象派」と呼ばれるようになります。
しかしながら、当時は創立がルイ14世時代に遡る「フランス国立絵画アカデミー」の審査による官展(いわゆるサロン)に選ばれることが画家として成功することの第一条件とされており、しかもそこに選ばれるのは新古典主義あるいはその流れを汲むいわゆる「伝統的な」作風の作品と相場が決まっていたので、印象派の画家たちはそこからしばしば“のけもの”にされていました。更には、当時の大衆紙でも印象派をあざける記事や時事ネタ1コマ漫画がよく扱われました。
この辺りの件とその後印象派が市民権を得ていく経緯については、今回も参考にしました西岡文彦氏による『二時間の印象派 全ガイド味わい方と読み方』(河出書房新社、1996)やその他西洋近現代美術史関連の本がお勧めです。
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更新日: 2020-03-24 (火) 01:23:19