タブラスに記されている伝承

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青のタブラス[編集 | ソースを編集]

まもなく私の上に黄昏が訪れる。

真なる闇に眼が閉ざされる前に
この身に刻まれた記憶だけは書き綴っておこう。
肉と共に朽ちてしまうことがないように。
我らレダが
かつてアルマと共にカナンの地にあったこと。
その庇護のもと過ごした心安らかな日々と
やがて訪れた黒き災い。

すでに過去は夜闇に包まれて久しい。
アルマの姿を目にした最後のレダとして
私はこれを遺す。
強靭にして柔軟なるエメラス板は
幾星霜を越えてなお
読む者の目に狂いなき筆の跡を映じることだろう。
深き闇に挑む者よ
汝の一条の光たらんことを、願うばかりだ。

赤のタブラス[編集 | ソースを編集]

まず始めに、

この筆跡を留めているエメラス自体について、
書き記しておかねばならない。
エメラスはエメルという石から紡ぎ出される
結晶質の繊維で、
神々の国エルディーンより来たりしアルマによって
この地に伝えられた。

それはかの国の木であり
鋼であり
母ですらあったという。
凍らぬ水の満たされた釜の中で、
様々な色のエメラスが織り上げられ
最後に力ある黒と
命ある白とが
創り出された。

黒きエメラスはあらゆる色彩の力を兼ね備え、
一方
白きエメラスは
その黒き力に語りかける働きを持っていた。
やがて黒き力は大洋に防人としてそびえ
白き輝きは翼となって神々の背に宿ることとなった。

金のタブラス[編集 | ソースを編集]

私はまた

我らレダと同じくアルマの民としてこの地にあった、
尾を持たぬ者らのことも書き記しておかねばならない。
彼らは賢く
自らの望みを成し遂げる強さに満ちており
アルマの技を習い覚えると
すぐに自らエメラスを紡ぐまでになった。

あらゆるエメラスを織る術を身に付けた彼らは
やがて黒と白までも
紡ぐことを夢見たが
しかし、アルマは決してそれを教えることはなかった。
黒き力は強大であり
翼なき者が操ることなどできはしないからだ。
それでも彼らは望みを捨てず
自らの洞の中で孤独な研鑽を続けた。

だが彼らが漆黒の光を目にする日はついに訪れなかった。
その釜から生み出されたのは
白くも黒くもない
灰がかった色のエメラスだけだった。

黒のタブラス[編集 | ソースを編集]

このカナンの地を襲った災いと

黒きエメラスの匣についても
私は書き記しておかねばならない。
アルマによって打ち建てられたと伝えられる漆黒の匣は、
力をもって風と波とを鎮め
エルディーンの世に遍く安寧をもたらしていた。

だが、尾を持たぬ者らが
黒きエメラスの秘密を求めて中へ踏み入ったとき
匣の力は災いとなって降り注いだ。
愚かにも彼らは匣を操ろうとしたのだ。
白き輝きなくして黒き力を御すことはできない。
匣は狂気へ導かれ
海は溢れた。

アルマによって匣が鎮められたときには
高みだけを残し陸は水底に消え
カナンの地も島へと姿を変えていた。
付き随いし我らレダの無事を見届けると
アルマは大きく翼を広げた。
そして白き姿をその場に残し
天へと還った。

白のタブラス[編集 | ソースを編集]

すべてが失われた後も

私にはまだ書き記すべきことがある。
災いにより引き起こされた高潮は
遠く神々の地まで及んだ。
多くの神々はその地で天へ還ることを望んだが
レダや尾を持たぬ者らを率い
新たな大地へと旅立った神々もいたという。

そして我らカナンのレダは
亡きアルマの魂を守るべく
島となったこの地の上で生きていくことを選んだ。
まもなく私も
あの白き翼に抱かれ聖なる地へと向かうのだろう。

過去の記憶は遠く
今は黄昏の気配だけが間近にある。
だが恐れはない。
闇を過ぎずして
朝は訪れぬのだから。
カナンの海に再び静寂の戻るその日まで
読む者よ

優しきアルマの祝福が汝の上にあらんことを。